高校生で起業、競技に打ち込む「挑戦力」と心身をケアする習慣とは

監修者:さくらでんぶ株式会社 代表取締役/テニスプレーヤー 杉本りお
10代にとって、勉強や部活動、趣味、そして将来の選択は、日常と切り離せないテーマです。挑戦したい気持ちはあるのに、うまく続けられなかったり、一歩が踏み出せなかったりする若者も少なくありません。
高校生でありながら、学び・起業・競技という三つの道を自ら選び続けてきた、さくらでんぶ株式会社CEOでありテニスプレーヤーの杉本りおさん。その歩みには、やりたいことがある一方で不安や迷いを抱える10代が前へ進むためのヒントが詰まっています。
本記事では、杉本さんの取り組みをもとに「挑戦を続けるための環境づくり」と「心と体を整える習慣」について紹介します。
挑戦のためのファーストステップは「環境を整え、やってみる」こと
自分にあった環境をつくること
挑戦というと、強い意志が必要、というイメージを抱くかもしれません。しかし、杉本さんの最初の一歩は、自分が続けられる環境をつくることから始まりました。
高校進学の際、杉本さんは通信制高校を選択します。一般的な高校生活では、授業や行事のスケジュールが固定されているため、テニスの練習時間が思うように確保できないと感じていたからです。通信制なら、学び方や時間配分を自分で調整でき、練習との両立もしやすくなります。
実際に学び方を切り替えると、生活のリズムが整い、心にも時間にも余裕が生まれたそう。その余白が、起業した会社のメイン事業となる「動画編集」という新しい分野と出会うきっかけになります。練習と学習のバランスが整ったことで、次の挑戦へ進むための土台が自然とできていったのです。
挑戦のスタート地点は、意志の強さだけではなく、自分に合った環境づくり。杉本さんの経験は、「続ける力」を育てるための最初の鍵は、自分の生活に合う環境を整えることだと教えてくれます。
未知の世界には「まずやってみる」こと
とはいえ、新しい分野に挑戦するとき、多くの10代が抱えるのは「自分にできるだろうか」という不安。杉本さんも、動画編集をはじめた当初はパソコンの扱いにも慣れていなかったと話します。それでも踏み出せた理由は、完璧な準備ではなく「やってみたい」という好奇心でした。
最初は数日の短期講座に参加し、基礎を学ぶことから始めました。そこから、自主学習や実際の編集作業を通じてスキルは少しずつ伸び、やがて企業企画の動画出演や編集案件の依頼へとつながります。大きな決断ではなく、小さな一歩が次のステップを開く。そんな流れを体験したといいます。杉本さんの経験は、挑戦に必要なのは「向いているかどうか」の判断よりも、「まずやってみる」という行動であり、そこから得られる小さな成功体験が次の挑戦への原動力になることを示しています。
挑戦を支えるのは「言葉で伝える力」と「頼れる環境」
学業・起業・競技という三つの軸を同時に続ける杉本さん。その背景には、「自分の状況や考えを伝えること」と「全部自分でやらないスタンス」があります。人とのコミュニケーションを雑にせず、必要に応じて人に頼ることで、挑戦に向き合う余白が生まれる。そんな工夫が日常の中にありました。
仕事を進めるうえで欠かせない「コミュニケーション力」
動画編集の仕事では複数のメンバーと協力しながら進めるため、杉本さんは「言葉で丁寧に伝えること」を大切にしています。ミーティング後には必ず内容を文章でまとめて共有し、認識のズレを防ぐ工夫を続けてきました。
最初は、メールやチャットでのビジネスコミュニケーションに慣れず、送信前に何度も読み返していたといいます。それでも、当時受講していた動画の編集講座で、文章の組み立て方やチャットマナーを学び、「テンプレートをつくる」「確認事項を整理してから送る」といった方法を実践することで、少しずつ自信を持てるようになりました。
分業だからこそ必要になるのが、コミュニケーション。杉本さんは「向いている・向いていない」よりも、日々の「伝える習慣」こそが仕事を支える力だと実感したと話します。
挑戦を後押しするのは、選択や挑戦を「否定しない」家族の存在
杉本さんの抱え込みすぎない姿勢には、家庭の影響も大きくあります。
父は「好きなことをやれば?」と見守るスタンスで、過度に干渉せず、挑戦を否定することもありません。母も「まず、一回やってみなよ」と、行動を肯定し、背中を押してくれる存在でした。
幼い頃から、何かをやりたいと言って否定されることがなかったため、わからないことを相談したり、助けを求めたりすることが自然にできるようになったといいます。起業後の経理などの業務は家族がサポートし、杉本さんが集中すべき部分に力を注げる環境がすでに整っていました。
こうした家庭の空気は、「全部自分で抱え込まなくていい」という感覚を育て、挑戦し続けるための基盤にもなっています。
両立には欠かせない心と体のケアと「食べること」
ポイント①おばあちゃんコーチの存在
学校と仕事、そしてテニスを両立するためには、心と体のケアも大事なポイントになります。杉本さんがその土台として大切にしてきたのが、ケガをしない工夫と「しっかり食べること」。その背景には、幼い頃からテニスに付き合ってくれているおばあちゃんの存在があります。
杉本さんは小学3年生から現在まで、テニスの練習のほとんどをおばあちゃんと二人で続けてきました。おばあちゃん自身はテニス経験者ではありませんが、長年にわたりボール出しやフォームチェックを手伝ってくれる、「人生で一番身近なコーチ」という存在です。
杉本さんが「テニスでケガをしたことが一度もない」と話す背景には、おばあちゃんの細やかな観察があります。肘や肩に負担がかかるフォームになっていると、元に戻せるように促してくれる。 この積み重ねが、無理のない動き方を自然と身につけることにつながっています。
また、毎日のストレッチや柔軟、入浴で体を温める習慣も、おばあちゃんとの練習を通して身についたものです。体のケアが積み重なることで、多くの選手が悩まされるケガとは無縁でいられたといいます。
ポイント②「おいしいご飯」がくれるエネルギー
杉本さんの挑戦を語るうえで欠かせないのが、「食べること」。
杉本さんは「めちゃくちゃご飯を食べるタイプ」と笑って話しますが、それは単に好きなこと、だけにとどまりません。「細いとケガをしやすい」という感覚があり、しっかり食べて体をつくる意識が練習と同じくらい大切だと感じているのです。
その日々の食事を支えてきたのも、おばあちゃんでした。練習後はほとんど毎日おばあちゃんの家でご飯を食べ、体づくりを意識した料理を作ってもらっています。「今日は練習したくないな」と気分が乗らない日でも、おいしいご飯を前にすると自然と気持ちが切り替わったり、試合で負けて落ち込んだ日には、「おいしいもの食べて帰ろう」と声をかけてくれたり。
そんなやり取りが、いつの間にか「また明日も頑張ろう」と思えるエネルギーになっていたそう。
おばあちゃんが家族であり、コーチであり、精神的な支えでもあるという関係性は、杉本さんが学業・仕事・競技を続けるための「自分に合った環境」の一つとなっているのです。

これからの目標、そして杉本さんが考える「いきるスキル」
取材の最後に、今後の進路について尋ねると、杉本りおさんは迷いなくこう答えました。
「このまま、勉強も仕事もテニスも、全部続けていきたいです。」
テニスの目標については、まずは卒業までに一般ランキング100位以内に入り、将来プロテニスプレーヤーになること、と語ってくれました。
「どれもやめたくないんです」と笑顔で話す姿は、純粋に好きなことに打ち込む10代の子たちと変わりません。
そして、杉本さんにとって「いきるスキル」とは何か。その答えは、特別なものではなく、日々の積み重ねから見えてきた実感に近いものでした。
「チャレンジする気持ち、そして継続力です。」
大きく構えた言葉で語られる成功ではなく、選択や工夫の積み重ね。その等身大の姿は、同じように「どう進めばいいのか」と悩む10代にとって、一歩を踏み出すヒントを示してくれます。
挑戦力・継続力に関するQ&A

この記事を監修した人
杉本 りお
さくらでんぶ株式会社 代表取締役。テニスプレーヤー。
高校在学中に動画編集会社を設立。SNSでの発信力を武器に、テニスプレーヤーとしてもプロを目指し活動中。「信頼・努力・挑戦」をテーマに、若い世代へポジティブなメッセージを届けることを信条としている。
JTAランキングを1年間で607位から171位へと大幅に向上させる。活動の根幹は、「挑戦し続ける姿勢」。
【テニス 大会実績等】
一般JOP大会 優勝1回/準優勝2回|ジュニアサーキット 優勝・準優勝|ジュニア関東大会出場|スペイン短期遠征(招待)など
【メディア出演】
スポーツ版「令和の虎」|青笹の「もっと動画編集を広げたい」|ピナイ茂木チャンネル|『アンナ社長』カンボジア不動産など





